第39回 遠藤 遼「ピザ」

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ちょっとした贅沢。そして、癒やしに。


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小さい頃、商店街の喫茶店で食べたのが初めてのピザ。とろけるチーズとサラミとピーマン、ピザソースが口の中で踊る旨みは、他に代えられない味でした。
以来、ピザは私の大好物です。
どのくらい好きかというと、品川のホテルの有名なランチビュッフェで、売りである蟹をみんなが食べている横で、私ひとり焼きたてのピザを皿に山盛り取って食べ続けるくらい好きです。前作『ユリア・カエサルの決断』に、歴史をねじ曲げてローマ時代にマルゲリータのピザを書いたのは、この趣味嗜好によるものでした。
当然ながら、新作『隣に住む教え子と結婚したいのですが、どうしたらOKがもらえますか?』でもピザは出てきます。

宅配のピザもおいしいけれども、高くてしょっちゅうは無理。近年、持ち帰りをすることで半額にするピザ店ができて快哉をあげたものですが、それとて持ち帰り時間に冷めてしまうリスクを許容しなければいけません。

家で何とかおいしいピザが食べられないか、私は毎夜枕を涙で濡らしていました。
その悩みを解決してくれたのは、ホームベーカリー。パンを焼くだけかと思いきや、ピザ生地が作れるというではありませんか。私は家の料理を一手に引き受けてくれている家内に「ホームベーカリーでピザを作ってほしい」と切々と訴えました。「家でピザを作ることの経済効果と仕事効率」について、パワーポイントでプレゼンし、最後には土下座しました。

その甲斐あってピザは、外で食べる贅沢から、家で作る贅沢に変わりました。
子供の頃とは場所も味も変わりましたが、現在もおいしいという感動だけは変わらない。焦げ目がついたチーズの旨みが執筆の疲れを癒やす――。
さあ、もう一仕事、がんばろう。

Profile

遠藤 遼 えんどう・りょう

作家。第3回オーバーラップ文庫大賞〈特別賞〉を受賞しデビュー。
新作『隣に住む教え子と結婚したいのですが、どうしたらOKがもらえますか?』は第1巻が2019年4月25日に発売。
ほか、オーバーラップ文庫より『ユリア・カエサルの決断』、富士見L文庫より『平安あかしあやかし陰陽師』などを手がける。
https://www.amazon.co.jp/dp/4865544712

担当編集メシ

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買い物のついでに

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最寄りのスーパーマーケットは家の徒歩圏内にあります。でもスーパーへ出かけるのが唯一の外出になりそうな休日は、散歩でもしようとあえて遠いスーパーへ行く日も。
その途中で食べたお昼がこちらです。カツカレー丼。カツとカレーの組み合わせがおいしくないはずがない。(編集Y)