第5回オーバーラップ文庫大賞特別編 大城功太

今回の「作家のしゃべり場Z」は特別編!
第5回オーバーラップ文庫大賞の受賞者インタビューを一挙掲載するぞ。
『異世界召喚された俺がHできない理由 Answer.1 全部MPチートのせい』で〈金賞〉を受賞した大城功太に、創作の原点を始めとしたさまざまなことを聞いた。


――まずはライトノベル(以下「ラノベ」)を書き始めたきっかけを聞かせてください。
大城功太
高校二年生くらいでしょうか、友人から渡された某ハイテンションコメディ系ライトノベルがひとつの転機でした。
それまで小説にはなんとなくお固いイメージがあって漫画ばかり読んでいたのですが、この時に初めて「ラノベ」というジャンルに触れ、読み漁るようになりました。
高校三年生になってからは自分でも書き始め、受験勉強の合間に2作ほど作品を書き上げ、新人賞へ投稿したことを覚えています。
――そんな大城さんが小説を書く際に心がけていることがあれば聞かせてください。
大城功太
第一に、自分が書いていて楽しいかどうか。
無理に流行を追って上辺だけなぞっても、個性が無い作品になってしまいそうな気がするので。
第二に、自分以外の人が読んでも楽しく思ってもらえるかどうか、でしょうか。
自分ひとりだけ楽しんで書いていても、娯楽性が無い作品になってしまっては意味がないと思うんです。
――では受賞作品である『異世界召喚された俺がHできない理由』(以下「異世界H」)を書き始めたきっかけはなんでしょうか?
大城功太
受験勉強の合間に2作品を書き上げて以降、ほぼほぼラノベを読まず書かずの生活だったんです。
そんな時、「小説家になろう」発の、とあるコメディラノベ作品のアニメを見て「自分なら異世界コメディはこう書きたい」とふたたびラノベを書く熱意が湧き上がってきて。
そうして書き始めたのが『異世界H』でした。
——そんな思いのもと書き始めた本作ではありますが、大城さんが考える『異世界H』のイチオシポイントは?
大城功太
一見大変そうだけど、エッチで美味しい思いが出来そうな異世界に召喚された思春期男子の主人公が、現実世界から解き放たれて異世界生活を楽しむ……。
言葉にすると難しいですが、そんな解放感でしょうか。
作品内でひとつ具体的なシーンをあげるとすると、主人公とヒロインがドラゴン討伐クエストに挑むエピソードです。
エッチ・ギャグ・チート、いろいろな要素を盛り込んだシーンになっているので、自分も書いていて楽しかったですね。
――そのシーンを読むのが今から楽しみです! ちなみに、もし本作にキャッチフレーズをつけるとすると、どのようなフレーズになるでしょうか?
大城功太
「異世界最強、超えろ!(こえろ/ちょうエロ)」です。
詳しく説明すると長くなりますが、作中では主人公が「世界最強=超エロい」という設定なので。
あと異世界コメディしながら誰よりも強くなっていくので、文字通り超えるという意味も込めるとこのようなキャッチフレーズになるのかなと。
――次に作品の受賞が決まってからのお話を聞かせていただきます。受賞が決まった際の、率直な気持はどのようなものでしたか?
大城功太
現在の担当編集さんから「受賞が決まりました」とお電話をいただいたのですが、最初は「え? 異世界モノとはいえ、この尖った作品が!?」と密かに動揺していた記憶があります。
喜びの感情が湧いてきたのは、その電話が終わってからでした。
――それから刊行に向けてさまざまな作業を行ってきたと思いますが、刊行作業で何か苦労したエピソードなどはありますか?
大城功太
書籍の原稿は、新人賞に投稿した時の原稿から大幅に改稿することにしたのですが、改稿する度に意外と誤字は出てくるもので、担当編集さんに提出する前の誤字脱字チェックが大変でした。
ただ改稿作業自体は編集さんから有意義な助言もいただけたので、むしろ楽しんで行えたと思います。
――作業ではイラストのチェックなども行ったと思いますが、キャラクターデザインを見て、何か新たな魅力を発見できたキャラクターはいますか?
大城功太
メインヒロインのミリアですね。
完成したカバーイラストも拝見したのですが「こんなかわいい見た目の子が、本編であんな魔法を使うんだ……!」というギャップが魅力的です!
またED侍も外せません。
黙っていればイケメンという感じなので、彼の新たな魅力を発見できた気がします。
やはりイラストという表現方法は強力ですね!
――ありがとうございました! 最後に大城さんが「本作のこういうところが新人賞の受賞につながったのかも」と考えているポイントがあれば、聞かせてください。
大城功太
昨今の異世界ジャンルの流れを踏まえつつも、自分なりの異世界観を書けたことでしょうか。
少々尖り過ぎやしないかとも思いつつ書き進めましたが、編集部内で評価いただけたようでうれしかったです。
これは私の考えでしかありませんが、なんのジャンルを書くにしても、その作者の作品でしか読めない何かを読者の方に見せることが大切なのかなと!
Profile

大城功太 おおしろ・こうた

第5回オーバーラップ文庫大賞〈金賞〉を受賞しデビュー。
受賞作『異世界召喚された俺がHできない理由 Answer.1 全部MPチートのせい』は2019年1月25日オーバーラップ文庫より発売。
https://www.amazon.co.jp/dp/4865544372