第8回オーバーラップ文庫大賞特別編 メグリくくる

今回の「作家のしゃべり場Z」は特別編!
第8回オーバーラップ文庫大賞の受賞者、計3名のインタビューを一挙公開しよう。
〈金賞〉を受賞した『暗殺者は黄昏に笑う』(以下『暗殺者』)のインタビュアーは、ヒロインであるミル。
彼女が著者であるメグリくくるに、作品やその見どころについて、そしてオーバーラップ文庫大賞について聞いてくれたぞ。


ミル
ほんを、かきはじめた きっかけ は?
メグリ
初インタビューがまさかの自キャラ対談!
ミル
いいから、こたえろ。
メグリ
ごめんね!
『暗殺者』を書き始めたきっかけは、ファンタジー系の物語を読んでいる時に、どうして他種族間で子供が出来るんだろう? 染色体とかどうなってるの? と思ったのがきっかけです。
上記の観点で気になると、医療という切り口でちょっと違うファンタジーモノが書けるのでは? と思い、構想を練り始めました。
以前短編で転生モノを書いたことがあったのですが、どこかのタイミングで長編でも書いてみたい、と思っていたので、じゃあ異世界転生という形で進めよう、と決めました。
ミル
どこで、しんじんしょーを しったの?
メグリ
オーバーラップ文庫大賞を知ったのは、書店のライトノベルコーナーでした。
書店に入るとほぼ確実にライトノベルコーナーに私は寄るので、新作をチェックしていた時にお見かけしました。
その時お見かけしたのは、確かオーバーラップ文庫大賞の前身のキックオフ賞を受賞された方の作品だったかと思います。
ミル
おーばーらっぷぶんこの、イメージ は?
メグリ
オーバーラップ文庫は、なろう系や、ファンタジー系の本を多く出されているイメージがあります。
私が本を読み始めるきっかけになった、安井健太郎さんの『ラグナロク』をリブートしていただけたというのもあり(本当にありがとうございます! 本当にありがとうございます!! 12月発売の新作も死んでも買います!!!!)、変わっている話でも尖っているのであれば受け入れてくれそうな印象を持っていました。
ミル
なんで、ここにおうぼ しようと、おもった の?
メグリ
オーバーラップ文庫大賞に応募しようと思ったのは、応募者全員に評価シートでコメントをいただけるのが非常に魅力的だったからです。
また、上記オーバーラップ文庫のイメージも含めて『暗殺者』を受け入れてくれそうだと思い、応募させていただこうと思いました。
ミル
コメントで、なにが いんしょうてき だった?
メグリ
評価シートでいただいたコメントで記憶に一番残っているのは、多少表現の差はありますが、編集部の皆さんから『暗殺者』をおもしろい、と言っていただけたことです。
また、これはコメントの中身の話ではないのですが、いただいた作品に関する改善点のコメントが皆さんほぼ共通されていたのが、非常に印象的でした。私としても自分の作品の改善点が非常にわかりやすかったですし、オーバーラップ文庫大賞の選考に関わる方はブレがない! と衝撃を受けたのを今でも覚えています。
ですので、私を担当いただいている方含め、オーバーラップ文庫の編集部の方々を私は全面的に信頼してますし、本当に頼らせてもらっています。
メグリ
自キャラ対談という羞恥プレイを提案されても、全然前向きに取り組みますよ!
ミル
よけいなこと、いうな。
ミル
じゅしょうの、れんらくをうけたときの かんそう は?
メグリ
佳作に選出いただいたご連絡を受けた時、私の中で三つの感情が順番に顔を出していたと思います。
ひとつ目は、歓喜です。もう、本当にうれしくて、うれしすぎて手が震えていたと思います。小説を書き始めてから丁度十年目でデビューのお話をいただけたので、本当に諦めずに続けてきて良かった、と思いました。
二つ目は、安堵です。ここ二、三年、デビュー直前まで選考は進むのですが、あと一歩届かず、という状況が続いていたので、ようやくスタートラインに立てたな、と思いました。
三つ目は、緊張です。スタートラインに立ったということは、これからまた走り出すことを意味していますし、自分の書いた本をいろんな方に読んでいただけるようがんばらねば! と襟を正すような気持ちになったのを覚えています。
ミル
どこが ひょうか、されたんだと おもう?
メグリ
設定だと思います。
医者でありながら暗殺者の才能を持つ主人公というキャラクター的な設定と、彼らが生活する異世界の世界観を評価コメントでも褒めていただけていたので。
まだまだ稚拙な文章ですが、『暗殺者』を構成する様々な設定に磨きをかけ、またそれを読んでいただいた方に楽しんでいただけるようにこれからも精進していきたいと思います。
ミル
さくひんの、コンセプト は?
メグリ
コンセプトは医療×異世界です。
ミル
なにか、だいじにしてること ある?
メグリ
上記コンセプトだと医学的な観点でファンタジーな世界を見る事になるので、どうしても専門用語を多用しなければならない場面があります。そうした場合にもわかりやすく読んでいただけるように、言い回しなどは気をつけています。
後はカタカナが増えすぎると読みづらいと思ったので、極力カタカナは使わないで当て字にルビを振るようにしていたりします。
ミル
はつばいまえに、くろうしたさぎょう は?
メグリ
書籍化に向けて作業は進めているのですが、これが驚くほど苦労していません。
担当の方からいただくアドバイスも的確で納得感があるものですし、校正さんも私以上に文章を読み込んでくださり。いただいた指摘を修正する度、『暗殺者』という物語に磨きがかかり、輝いていく気がして、書くのが本当に楽しいですし、嬉しいです。
改めて、物語を世に出すということは、チームプレイが非常に大切なんだな、と実感していますし、多くの方に支えていただいて『暗殺者』は作られているんだな、と思いました。
ミル
キャラデザとかみた、かんそう は?
メグリ
岩崎(美奈子)さん天才では? です。
稚拙な私の文章から、あれほど素晴らしいキャラクターデザインやカバーイラストが生まれてくるなんて、奇跡としか思えません。ひょっとしたら岩崎さんは天才ではなく、人を超えて神なのかもしれません。創造主ですね。
また、イラストをいただけると一歩一歩、本として出来上がっていく感じがするので、いよいよ『暗殺者』が形になるんだ! とワクワクしました。
ミル
ほん、どんなひとに、よんで ほしい?
メグリ
ちょっと変わったファンタジーモノが読みたい、と思われた方に読んでいただきたいです。
理由は、医療的な視点で異世界モノに取り組んでいる作品は少ないと思うので、新鮮な気持ちでお読みいただけるのかな? と思ったからです。
後は、ハッピーエンドが過食気味になっている方にも楽しんでいただけるかと。
ミル
これで、さいご しんじんしょーに、おうぼしようとおもってるひとに、アドバイス ある?
メグリ
誰に何を言われても、まずはチャレンジすることが一番大切だと思います。
残念ながら、一度のチャレンジでデビュー出来ないかもしれません。でも、チャレンジをし続けなければ、そもそもデビュー自体出来ません。
その点、オーバーラップ文庫大賞は応募者全員に評価コメントもいただけますし、そのコメントは皆さんの物語をより輝けるものにしてくれると思っています。
願わくば、これから投稿されようと思われている方々が、いいチャレンジが出来ますように。
ミル
これで、おしまい。……おつかれ。
Profile

メグリくくる

第8回オーバーラップ文庫大賞〈金賞〉を受賞しデビュー。
受賞作『暗殺者は黄昏に笑う1』は2022年1月25日オーバーラップ文庫より発売。
https://www.amazon.co.jp/dp/4824000807